ベランダで育てる!ブルーマロウ(コモンマロウ)の育て方【ハーブティーも淹れてみました】
アオイ科の二年草~多年草で、北ヨーロッパや北アフリカ、南西アジアと広く分布しています。
近縁種に「マーシュマロウ」や「ムスクマロウ」などがいますが、変色現象を起こせるのはブルーマロウだけです。
ブルーマロウの最大の特徴は、色が変わる魔法のようなハーブティー。
鮮やかな青色のハーブティーは放置しておくとグレーに、レモン汁を垂らすと霧が晴れるようにピンク色に変色します。
この色の変化が美しい夜明けを連想させることから、別名「夜明けのハーブティー」とも呼ばれています。
今回はブルーマロウの特徴と育て方についてご紹介します。
ブルーマロウの特徴
ブルーマロウの見た目
ホームセンターでもそれなりに見かけますね。
結構背丈が大きく、約1mから2mくらいの背丈まで伸びます。
円形の葉はギザギザの切れ込みがあり、オクラの葉によく似ています。
実はマロウとオクラは同じアオイ科で、葉の形以外にも共通点があるんですよ。
詳しくは「ブルーマロウを食べてみる」の項でお話します。
6月から8月頃にかけて、赤紫色の大輪の花を複数咲かせます。
収穫量はかなり多く、一年目でも一日に10輪以上収穫できます。
花言葉は「穏やか」や「柔和な心」など。
「コモンマロウ」の花が思ってたのと違う?
コモンマロウという名称は「ウスベニアオイ」と「ゼニアオイ」の二つを指します。
どちらも同じ名前で販売されているので、購入する際は気を付けてください。
「松江の花図鑑」様からゼニアオイの画像をお借りしました。
花弁に白い縁取りがあるのがゼニアオイ、紫一色なのがウスベニアオイです。
ハーブティーだけが目的ならどちらでも利用できますが、お花の鑑賞も楽しみたいなら好みがわかれるでしょう。
苗の状態でも茎や葉の特徴で判別できますが、ラベルの学名を見るのが一番手っ取り早く確実です。
ウスベニアオイは「M.sylbestrs」、ゼニアオイは「M.mauritiana L」です。
購入する際はしっかりラベルを確認してくださいね。
色が変わるハーブティーたち
色が変わるハーブティーと云えばブルーマロウとバタフライピーが有名ですが、実はボリジの花でも同じ現象が起こせます。
これらのハーブティーが変色するのは、花に含まれる「アントシアニン」という色素の働き。
アントシアニンはアルカリ性だと青色に、酸性だと赤色に変色する特徴があります。
なんだかリトマス試験紙みたいですね。
マロウティーに酸性のレモン汁を入れたら赤く変色するのは、このためです。
酸性であればなんでもいいので、炭酸水などでも変色現象が起きます。
色々試してみると面白いですよ。
ブルーマロウを食べてみる
香り
葉は殆ど無臭です。
花はほのかに香りますが・・・良い香りとは言い難いですね。
味
花は殆ど味がしません。
葉は柔らかくクセの無い味で、野菜のように食べられます。
味は特筆するほどではありませんが、最大の特徴はオクラ同様のヌメヌメとした食感。
花も葉も、嚙めば噛むほど粘液が口の中で泡立ちます。
感覚としてはオクラの花に近いですね。
ブルーマロウを育てる7つのコツ
乾燥気味の環境が大好き
水はけがよい土を好みます。
赤土玉6:腐葉土3:パーライト1に緩効性肥料を混ぜ込んだ土に植えてあげましょう。
ホームセンターなどで売っているハーブ用の土が一番お手軽です。
乾燥を好むので、水やりは土の表面が乾いているのを確認してからあげましょう。
水をあげすぎると根腐れしてしまいます。
あげるときはたっぷりとあげます。目安は鉢を傾けたら底穴から水がしたたり落ちるくらいです。
8号以上の鉢に植えよう
2m近くまで大きくなるうえ、直根性で移植を嫌います。
最初から8号鉢以上の大きな鉢に植えてあげましょう。
私はスリット鉢の8号に植えてます。
日当たりのいい場所で育てよう
日差しを好むので、日当たりのいいところで育てましょう。
日当たりの悪い所で育てると花付きが悪くなります。
ただし、日差しが強い夏は直射日光が当たらない涼しい場所で育てます。
特に東京以西の暖かい地域は要注意です。私はベランダにすだれをかけてます。(暖地在住)
生育期・開花期の春に追肥する
春は成長や開花で栄養を消耗する季節です。
少量の緩効性肥料を与えるか、液体肥料を月に2回ほど与えましょう。
栄養が足りなくなると花付きが悪くなったり、花のサイズが小さくなります。
私はハイポネックス液肥を使ってます。
※厳しい真夏や真冬には肥料を与えないでください。植物の負担になって逆効果です。
グルグル巻かれた葉はハマキムシの仕業!
葉がクルクルと筒状に巻かれ、内部に糞があったらワタノメイガ(ハマキムシ)の仕業です。
食害された葉ごと切り落として捕殺しましょう。
また、一匹見かけたら他の葉にも卵が産みつけられている可能性が高いです。
放っておくとドンドン葉が食害されてしまうので、早めに見つけて捕殺ましょう。
ハダニに要注意!
葉の色が白く色抜けし、裏に赤い粉みたいな虫がいたらハダニです。
非常に繁殖力が高く、大発生すれば枯れてしまうこともあります。
水に弱いので、霧吹きなどで水を噴射して洗い流しましょう。
数が多く一度では駆逐できないので、姿が消えるまで定期的に行ってください。
毎日花を摘もう
一日花なので、放っておくと翌日には萎びてしまいます。
折角咲いた花を摘んでしまうのはもったいない気もしますが、萎びさせるくらいなら収穫してしまいましょう。
種をつけさせないことで株が疲れるのを防ぐ効果もあります。
収穫した花はザルに入れ、強い日差しが当たらない風通しの良い場所で乾かします。
湿気があると乾燥する前に腐ってしまうので要注意です。
ブルーマロウの利用方法
根も含めて全草が食用にでき、葉はサラダに利用します。
花はエディブルフラワーとして利用でき、色の変わるハーブティーが「夜明けのハーブティー」として人気ですね。
ということで、今回は「ブルーマロウのハーブティー」を淹れてみようと思います。
ブルーマロウのハーブティー
材料
- マロウの花...10輪(ドライならティースプーン2杯)
- お湯...300ml
- レモンシロップ...適量
レモンシロップはこちらのレシピで作ったものを使用しました。
作り方
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ポットにブルーマロウの花と沸かしたてのお湯を入れて3分蒸らし、マロウティーを淹れます。
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グラスにマロウティーを注ぎ、レモンシロップを入れたら完成!
感想
時間がある方はお湯ではなく、水で淹れると美しい色が長時間楽しめますよ。
マロウティー自体は殆ど味がしないので、単体では正直美味しくないのですが・・・。
逆に味がしないことを活かせば、色々なアレンジが楽しめます。
こちらはカルピスと組み合わせたレシピです。グラデーションが美しいですね。
こちらは氷にしたもの。ビー玉のようで素敵です。
他にもたくさんのレシピがあるので、いろいろ作ってみると面白そうですね。
まとめ
- 購入の際はゼニアオイとウスベニアオイの違いに注意
- 花のハーブティーは酸性にすると青色から赤色に変色する
- ハマキムシとハダニの食害に注意
最大の魅力はなんといってもお花のハーブティーですね。
レモン汁を垂らした瞬間にぱっと色が変わる様は、まさに「魔法のハーブティー」!
赤紫色の花は鮮やかで、観葉目的としても優秀です。
育て方も簡単で収穫量も多いので、初心者の方にもおすすめですよ!