ベランダで育てる!キンレンカの育て方【西の魔女が死んだのサンドイッチも作ってみました】
ペルーやコロンビアなどの南米を原産とする、ノウゼンハレン科の多年草です。
日本には江戸時代にオランダから渡来し、「凌霄葉蓮(ノウゼンハレン)」と呼ばれていました。
よく「ナスタチューム」と呼ばれますが、これは本来クレソンを含むアブラナ科オランダガラシ属を指す名前です。
香りと風味がクレソンに似ていることから、キンレンカにも転用されました。
キンレンカの最大の特徴は、全草が食べられること。
花はエディブルフラワー、葉や茎はサラダ、種は香辛料として利用できます。
全草に爽やかな辛味があり、サラダなどに入れるといいアクセントになります。
今回はキンレンカの特徴と育て方についてご紹介します。
キンレンカの特徴
キンレンカの見た目
ホームセンターでも4月頃からよく見かけます。
約30cmから50cmくらいの背丈で、コンパクトな委性の種と、つるを伸ばすほふく性の種があります。
ハンギングプランターにしてつるを垂れさせると見事です。
ハスに似た丸い葉が特徴的で、「金蓮花(キンレンカ)」という名前も葉がハスに似ていることに由来します。
また、別名の「凌霄葉蓮(ノウゼンハレン)」はノウゼンカズラに似た花と、ハスに似た葉からつけられました。
花の色は赤や黄、オレンジの花を咲かせる種類(Tropaeolum.majus)が一般的ですが、クリーム色や薄桃色の花を咲かせる種類もあります。
5月から11月頃まで花を咲かせますが、夏は花付きが悪くなります。
5つの花弁で構成された花にはしわがあり、後ろの漏斗状の突起が特徴的です。
種蒔きで簡単に育てることができます。
種蒔きからの生育日記については後日記事を書きますね。
勝利を司るトロフィーのハーブ
キンレンカを含むノウゼンハレン属の学名「Tropaeolum」は、古代ギリシャ語でトロフィーを意味する「tropaion」が由来です。
トロフィーの起源は古代ギリシャやローマで討ち取った相手の戦利品を飾る習慣からきており、キンレンカの花を兜に、葉を盾に見立てて名づけられました。
花言葉も「愛国心」「困難に打ち勝つ」「勝利」など勇敢なものばかりです。
キンレンカを食べてみる
香り
葉は「THE・葉」って感じの青臭い香りです。
花はほのかに優しい香りがします。香りは弱く、鼻を近づけないと分かりません。
味
葉は嚙むと最初は甘いですが、後から結構強烈な辛味がきます。
身近なところではカイワレ大根の味に近いでしょうか。
フランスではクレソンの代用として使われ、ペルーが原産地であることから「ペルークレソン」とも呼ばれます。
花は葉よりはマイルドですが、辛味があります。後ろの突起には蜜が貯まっており、吸うと甘いです。
キンレンカを育てる6つのコツ
乾燥気味の環境が大好き
水はけがよい肥沃な土を好みます。
赤土玉6:腐葉土3:パーライト1に緩効性肥料を混ぜ込んだ土に植えてあげましょう。
ホームセンターなどで売っているハーブ用の土が一番お手軽です。
乾燥を好むので、水やりは土の表面が乾いているのを確認してからあげましょう。
水をあげすぎると根腐れしてしまいます。
あげるときはたっぷりとあげます。目安は鉢を傾けたら底穴から水がしたたり落ちるくらいです。
花を咲かせたいならチッ素は少なく
チッ素が多いと葉が茂り、花の数が少なくなります。
開花期の春と秋には追肥を与えますが、栄養のバランスには十分注意しましょう。
チッ素を含まない開花促進用の液肥なら間違いありません。
一週間に一回程度、既定の濃度に薄めて与えましょう。
株が弱っている夏や冬には逆効果になるので与えないでください。
夏の暑さは苦手
耐暑性が低く、真夏の日差しには耐えられません。
外気温が約25°を越えると調子を崩し、花付きが悪くなります。
夏の間は直射日光が当たらない、涼しい場所で育てましょう。
暖地の場合は初夏から半日陰に移動させた方がいいですね。
特に東京以西の暖かい地域は要注意です。私はベランダにすだれをかけてます。(暖地在住)
冬の寒さはすごく苦手
耐寒性が低く、霜にあたるとほぼ間違いなく枯れます。
暖地でも5°を下回ると調子が悪くなるので、冬の間は日当たりのいい暖かい室内で育てましょう。
日本では一年草として扱われてますが、本来は宿根草なので冬越しさえできれば多年草として育てられます。
アザミウマに注意
害虫には強い方ですが、アザミウマが発生することがあります。
- 発生源となる枯れた花柄などをこまめに取り除く
- アルミホイルなど光を反射するもので追い払う
- ヒメハナカメムシなどの益虫を呼び込む
- 青色や黄色の粘着シートを使う
- オルトランやベストガードなどの農薬を使う
などの手段で防除しましょう。
私はできるだけ無農薬で栽培したいので粘着シートを使ってます。
ある程度育ったら摘芯しよう
葉が5~6枚くらいに育ったら摘芯して脇芽を伸ばしましょう。
植物は先端の芽に一番栄養が送られる(頂芽優勢)ので、先端の芽を摘んで(摘芯)あげると脇芽が伸びて収穫量を増やすことができます。
また、横のボリュームが増えてこんもりとしたかわいい株にも育ちます。
キンレンカの利用方法
根も含めて全草が食用にできます。
花には多量のビタミンCやルテインを含み、サラダの飾りに使われます。
葉はクレソンに似た爽やかな辛みがあり、サラダやサンドイッチに利用します。
種は乾燥させたものをすり下ろしてカラシに似た香辛料に、未熟な種子は甘酢に漬けておけばケッパーの代わりに使えます。
名作「西の魔女が死んだ」にもキンレンカが登場します。
主人公の祖母はイギリス人で、彼女のイングリッシュガーデンにはキンレンカ以外にもワイルドストロベリー、カモミール、ミントなど多数のハーブがいっぱい!
ハーブが好きな人なら所々で映るハーブたちに大興奮間違いなしです!
もちろんちょっと切ないストーリーも素晴らしいので、ぜひ見てくださいね。
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ってことで、今回は作中で主人公たちが作る「キンレンカのサンドイッチ」を作ってみようと思います。
キンレンカのサンドウィッチ
材料(三人分)
- キンレンカの葉...3枚くらい
- 食パン...6枚
- 卵...2個
- レタス...6枚くらい
- ハム...3枚
- バター...適量
- 塩コショウ...適量
作り方
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パンにバターを塗ります。焼くかどうかはお好みで。
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フライパンにサラダ油を引いて熱し、溶き卵を入れて強火で一気に炒ります。
- パンにちぎったレタス、キンレンカの葉、ハム、炒り卵を乗せ、塩を振ってパンで挟みます。
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耳を取らず、大胆に3つに切って完成!
感想
作中と同じく、紅茶と一緒にいただきました。
キンレンカの味はあまり目立ちませんが、時々感じるピリッとした辛味がアクセントになって美味しいです。
キンレンカの味が好きな人は、2枚くらい入れた方が味にメリハリがあってイイですよ。。
辛いのが苦手な人は、主人公のようにキンレンカの葉を抜いて・・・って、それじゃキンレンカの紹介にならないですね(笑)
まとめ
- 全草が食用にでき、ピリッとした辛味が特徴
- 花を観賞したいなら開花促進用の肥料を使う
- 暑さと寒さに要注意
頑丈で育てやすいハーブですが、夏越しと冬越しには気を付けてあげてください。
ハーブとして利用できるのはもちろん、色鮮やかな花は鑑賞用としても楽しめます。
水やりや害虫に気を使う必要もなく手間がかからないので、ぜひ育ててみてくださいね!
関連項目
キンレンカのパスタも作ってみました。よかったら見てください。