ベランダで育てる!セルフィーユの育て方【ハーブバターも作ってみました】
コーカサス地方を原産とするセリ科の一年草で、日本では「チャービル」という名前で流通しています。
チャービルと言う名は古代ギリシャ語で「喜びの葉」という意味です。
かつてはただの雑草として扱われていましたが、古代ローマ時代に食用できるハーブとしてヨーロッパ中に広げられ、帰化しました。
セルフィーユの最大の特徴は、パセリよりも繊細な風味。
葉や茎にはフルーティーな甘みがあり、サラダやスープに利用されるほか、最近ではケーキの飾りにも利用されます。
フランス料理に欠かせないハーブとして重用されてきました。
今回はセルフィーユの特徴と育て方についてご紹介します。
セルフィーユの特徴
セルフィーユの見た目
ホームセンターでもそれなりに見かけます。
約30cmから70cmくらいの背丈で、イタリアンパセリにそっくりな姿をしています。
セルフィーユには根を食用にするものと、葉を食用にするものがあります。
主に流通しているのは葉を食する品種で、根を食用にするものはヨーロッパでもあまり流通していません。
根を食用にするものは葉に毒があるので気を付けなければなりませんが、日本では目にすること自体滅多にないでしょう。
5月から7月にかけて、可憐な白い花を複数咲かせます。
レースのような花はあまり目立ちませんが、儚げな美しさがあります。
花言葉も「誠実」や「正直」、「真心」と控えめな奥ゆかしさを感じます。
美食家のパセリ
パセリに似た特徴から、「フレンチパセリ」や「美食家のパセリ」とも言われます。
パセリに比べると葉が小柄で、全体的にやさしい雰囲気です。
見た目と同じように味もマイルドで、苦みがありません。
セルフィーユを食べてみる
香り
葉は香りが弱く、収穫しないと分かりません。花はほのかに香ります。
アニスに似た柔らかな香りです。
味
やわらかな甘味があり、ほのかにアニスのような風味があります。
生で食べても爽やかで美味しいです。
セルフィーユを育てる5つのコツ
湿気が大好き
湿気を好むので保水性のいい土に植えてあげましょう。
ホームセンターなどで売っているハーブ用の土でも大丈夫です。
追肥は生育期の初夏に、薄めた液肥を一週間に一度与えます。
水やりは土の表面が乾いていたらあげてください。
湿気を好むからといって、土が乾く暇がないほどあげてしまうと根腐れしてしまいます。
夏の暑さは苦手
耐暑性が低く、真夏の日差しには耐えられません。
夏の間は直射日光が当たらない、涼しい場所で育てましょう。
暖地の場合は初夏から半日陰に移動させた方がいいですね。
特に東京以西の暖かい地域は要注意です。私はベランダにすだれをかけてます。(暖地在住)
6号以上の鉢に植えよう
一年草なだけあって、あっという間に大きくなります。
移植を嫌うので、最初から大きな鉢に植えてあげましょう。
私はスリット鉢の6号に植えてます。
セリ科を狙う害虫たち
オンブバッタ、キアゲハ、ヨトウムシ、アブラムシなどがセリ科の害虫です。
特に気を付けるべきなのはキアゲハとヨトウムシ。
食べる量が尋常じゃないので、放置すると葉が食いつくされます。
幼虫が大きくなる前に見つけて駆除しましょう。
キアゲハの幼虫は分かりやすいですが、ヨトウムシは昼間は地中にもぐっているので発見するのが難しいです。
食害されているのに犯人が見つからないときは根元の土を確認してみましょう。
土が掘り返されていたらヨトウムシがいるかもしれません。
見た目を気にしないなら、いっそ防虫ネットで覆ってしまうのもありですね。
収穫目的なら花は摘もう
他の一年草にも言える事ですが、花をつけると株が疲れて寿命が短くなります。
食用として利用するなら花が咲く前に摘んでしまいましょう。
私は一つだけ花を残して種を収穫し、残りは摘んでます。
セルフィーユの利用方法
茎も含めて全草が食用にでき、ビタミンCやカロテンを豊富に含みます。
サラダやスープに利用されるほか、卵や芋など淡泊な味の料理とも相性がいいです。
また、フランスではチャイブ、タラゴンと共に「フィーヌゼルブ」というミックススパイスに利用されます。
加熱するとせっかくの風味が飛んでしまうので、熱い料理の場合は調理の仕上げに加えましょう。
今回は相性のいいチャイブと組み合わせて「セルフィーユのハーブバター」を作ってみようと思います。
セルフィーユのハーブバター
材料
- セルフィーユ...一掴み
- チャイブ...3本くらい
- にんにく...1片
- バター...100g
作り方
-
バターを室温に戻し、にんにく、チャイブ、セルフィーユを刻みます。
-
1とバターをボウルに入れて混ぜます。
- ラップの上に出して形を整え、冷蔵庫で冷やせば完成!
感想
バターとして料理に使えるのはもちろん、トーストに塗ったり、ステーキに添えたりと様々な用途に使えます。
冷蔵庫で一週間、冷凍庫で一ヵ月ほど保つので作り置きしておくと便利ですよ。
チャイブ以外にもタイムなど他のハーブと組み合わせても美味しいので、色々試してみてください。
まとめ
- 全草が食用にでき、パセリよりも繊細な風味が特徴
- 加熱すると風味が飛ぶので調理の最後に加える
- 暑さに注意
頑丈で育てやすく、こぼれ種で簡単に増えます。
夏の直射日光と害虫にだけは注意してあげてください。
生育期にはグングン育ってたくさん収穫できるので、キッチンガーデンにもおすすめです。
関連項目
今回作ったハーブバターでアコーディオンポテトを作りました(*^^*)
ふわとろオムライスも作ってみました。